今週のキン肉マン第353話-超人リモート会議!!

今週のキン肉マン
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 超人たちは4人の超神を打ち破り、調和の神から“バベルの塔”に挑む資格を得ます。超人側が手にしたバベルの塔への通行証代わりのカピラリアの欠片ピースは8つ。いったい誰が対超神戦に選抜されるのか…!

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超人の地位向上

 ローマ、エジプト、ソ連のダルヴァザ、シャウレイに分かれていた超神たちは総じて撤退。超人連合軍だけが残された格好となります。

 ただ撤退した超神たちは去り際に一言、超人に対して言葉をかけています。それらは

  • また会おうぞ
  • 来たれ超人
  • 到来を楽しみにしておこう

といった感じです。

 総じて“楽しみに待ってるぜ”的なニュアンスがあり、彼らにとって超人との戦闘が、虫けらを駆除するレベルから楽しみが得られるレベルにまで上昇したことがわかります。

 ここまで超神の意識を変えさせたのって、なかなかすごいことだと思いますよ。敗れたレオパルドンやサタンクロスを含めてグッジョブです。超人の地位向上が果たされたといっても過言ではないでしょう。

完璧超人始祖の参戦辞退宣言

 さて、超神が去って超人だけが残り、その場でモニターを使ってのリモート会議(笑)が始まりました。議長はザ・マンです。

 ちなみに今回のタイトルは「超人リモート会議!!」なのですが、当然昨今のトレンドをもじっているわけです。しかしキン肉マンの世界では、時代は80年代後半。そう考えると、相当時代を先取ったリモート会議ですね(笑)。

 内容は当然“バベルの塔に乗り込む8人を選抜する”というテーマなのですが、ここでなんと、ザ・マンはしょっぱなから“自分を含むすべての完璧超人始祖の参戦辞退を宣言する”という楔を打ってきました。

 理由は“完璧超人始祖パーフェクト・オリジンはもう隠居した身だから”というもので、よって今訪れている試練は“現役世代が対処すべき”であり、“これに潰されるようならば、超人に未来はいらない”とまで言い放ちます。

 いや~いきなり来ましたね、最強クラスキャラの辞退宣言が。まあ前回の予想でも彼らが8人のメンツに入るとは思っていなかったので、予想通りといえば予想通りですけどね。しかもその理由が道理に合っているので、ぐうの音もでないです。

 たしかにザ・マン、悪魔将軍、ジャスティスマンは特Sランクキャラですが、強すぎるが故に、ゆで先生的としては連発できないキャラなのでしょうね。おそらくストーリーが作りづらいのでしょう。

 その対策を、“隠居じじいは出ていかないよ?”という完璧な理由づけで合理的に行ったわけです。なかなかに美しい展開だと思います(笑)。

 ここで面白いのが、スグルとそれ以外の超人のリアクション差です。スグル以外の超人は“そんなことは百も承知”という心理状態なのに対し、スグルだけはガッツリと完璧超人始祖を頼りにしていたところは、らしくて笑えますね(笑)。

 ただこれってスグルの腰抜け具合だけを表現しているわけではなくて、誰しもが思う、ごく一般的な意見を彼が代弁しただけなんですよね。

 そりゃねえ、ザ・マンや悪魔将軍やジャスティスマンが闘った方が強いに決まっているじゃないですか。ただそれだと作品として話に波を作りづらいから、禁じ手にしたいと。

 その約束事をスグルというキャラを使い、ゆで先生が読者に公表したという儀式だったわけです。そう考えるとうまいですよね、ゆで先生。

ジェロニモ“顔じゃない”問題

 メンバー選出における大原則が決まったあと、いの一番で参戦志願をしたのがジェロニモです。まあこれも予想通りですよね。

 しかし“至高の8人”という選定基準から考えると、彼が実力・実績的に一枚も二枚も見劣りするのは周知の事実です。

貴重な1名をジェロニモなんかに費やしてよいのか

な~んて思っている読者の方は多いのではないでしょうか。

 そんな世論をくんでか、彼は参戦を志願しながらも

これまで散々迷惑をかけてきた先輩たちのお役に立てる時がようやくきたと確信しているズラ

とはいえなんの実績もないオラがそんなこと急に訴えても、すぐに理解してもらえないかもしれないが…

と、自虐的発言をしています。これは作品内のキャラに伝えているだけではなく、“ジェロニモでいいのか”と感じている読者に向かって発信しているともいえるでしょう。

テリーの推薦と同じ過ち

 そんなジェロニモをフォローしたのがテリーマンです。ジェロニモの超人化へ導いた責任があるだけに、彼を一人前にするという義務感があるのかもしれません。

 そんな彼は、話の途中でしれっと

足の状態が万全ではないので、今回は辞退します

と宣言しています。これを見たときは、“またこのパターンか”と思ってしまいました。

 というのも、彼が世紀の一戦からリタイヤするのは、これが三度目だからです。一度目は超人オリンピックでの棄権であり、二度目は『キン肉星王位争奪編』の決勝戦で、あの時は人気が急落するという大きな代償を払いました。

 そんな憂き目にあっているというのに、何度同じ失敗を繰り返すのかと、少しがっかりしてしまったのです。マンガのキャラなんてのは目立ってなんぼなのに、そこからわざわざ身を引くなんて、しかも3回も身を引くなんて、どんだけお人好しなんだよ、テリーマン! と叫んでしまいそうです(苦笑)。

 まあそんなところが彼の彼たる所以ゆえんなのかもしれないですけどね。今回はジェロニモを自身の名代として送り出す、という役割をとったわけです。任命責任はオレがとるよ、というスタンスですね。

 となると、もう今回はジェロニモ≒テリーマンという図式で見るしかないですね。うがった見方をする連中が、“テリーマンはジェロニモを身代わりとすることで、危険地帯からどさくさに逃れた”なんて揶揄されないことを祈ります(苦笑)。

アシュラマンの粋

 ジェロニモがテリーマンから強力に推薦されると、

まさかジェロニモごときに超人界の存亡を託そうっていうのか。こりゃ世も末だな!

という意地悪を言ってきたのがアシュラマンです。まったくもってその通りなのですが(笑)、物言いがストレートすぎてちと厳しいです。ただこれは、読者の代弁ともいえるでしょう。

 しかしながら、彼はその後ジェロニモに決意のほどを確認し、テリーマンの名代であることを念押しすることで、ジェロニモ参戦を認めます。結果的にはジェロニモのメンバー入りを助ける形となっているあたり、口は悪いがなかなか粋な男です。

シリーズを超えたアンサー

 そして個人的に嬉しかったのは、アシュラマンがテリーマンを認めているという本音が垣間見えたことです。

 みなさんご存知の通り、この二人は因縁がハンパありません。それゆえジャスティスマンに敗れたアシュラマンの敵討ちにテリーマンが名乗りを上げた際、盟友であるサンシャインですらそれを認めたといういきさつもあります。

 この時はテリーマンがアシュラマンを認める発言をし、彼のライバルであることを自認しています。とはいえこれはまだ一方的なラブコールであり、アシュラマンがどう感じているのかはまだわかっていない状態でした。

 しかし今回アシュラマンは

世も末な時代をぶっとばすのは、テリーマンの十八番おはこだろうに

という、最大級の敬意発言を発しました。これは『完璧超人始祖編』からつながる、アシュラマンからのアンサーだといえないでしょうか。

 そしてその己が認めた男の任命責任を尊重し、力不足であることは間違いないジェロニモの選抜を認めるわけです。

 この“オレが認めた男の言葉は傾聴に値する”という姿勢が、よりテリーマンとアシュラマンの二人だけにしかない絆を感じさせ、オールドファンを唸らせます。そんな彼も、師であるサタンクロスの敵討ちのためにメンバー入りを志願しますが、これも順当と言えるでしょう。

予想外の“ちょっと待った”コール

 そしてこの2名の選出が異議なしという流れになりかけたのですが…そこに待ったをかけたのが、アシュラマンの盟友であるサンシャイン。予想外の所からオファーが来ました。

 いや~サンシャインは予想外だったなあ~。まあテリーマン、アシュラマン、ジェロニモというトライアングルに対し、その関係性の濃厚さでは彼もまったく引けをとらないのですが、今回の選抜についてはその根拠がちと薄いんですよ。

 彼が参戦を望んでいるのか、それ以外の何か考えがあるのかはまだ判然としませんが、仮に前者だとすると、ジェロニモと同じくらい“貴重な1名をサンシャインに費やしてよいのか”論争が起きそうです(苦笑)。失礼ながら。

 ただ前述した通り、彼は『完璧超人始祖編』にてアシュラマンの敵討ちをテリーマンに譲っています。それだけに今回も参戦を譲る、というのは考えづらいです。

 もしサンシャインが選抜されるのだとしたら、ゆで先生がそれなりの理屈を用意しているということです。それが何なのか、次回楽しみにしておきましょう。

その他気になった点

 その他気になった点は

  • ウォーズマンの臨戦態勢は、ダブルベアクローがデフォルト。
  • 隣にいるラーメンマン、トラウマは大丈夫か?
  • 空中に浮かぶモニターに対する物理的説明は皆無(笑)。
  • しかしそんな小さなことでは突っ込まない、優秀な読者たち。
  • なかなか磔から解放されないサタンクロス(苦笑)。
  • スグルの腰抜け発言を蔑みの目で見るBP砲。もう少し優しくして(笑)。
  • “ザ・マンちゃん”に続いて登場した愛称“グロロの大将”(笑)。
  • 面白すぎるけど、いい加減ザ・マン怒るぞ(苦笑)。

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コメント

  1. ターキー より:

    始祖組を外したのは理論的にはグロロの大将の仰る通りなんですが…正直盛り上がりに欠けてしまう気がします。
    個人的に、ここ最近は始祖編ほど盛り上がれてないと思うんですよね。
    それだけ彼らのインパクトは強かった。
    と同時に、昔からの既存超人を主軸にした闘いはあまり華がない状態になっている。
    ただでさえ超神たちがパッとしなさ過ぎて不評な状況で、更に始祖無しというのは…中々厳しい気がしますね。

    大丈夫かなぁ…。

    • ( 雨) より:

      アシュラ、ジェロ、テリーの会話は古参ファン歓喜でしたね
      しかしジャスティスに完敗したアシュラがさらに格上の超神に勝てるのか疑問が残りますね…。
      仮に対戦カードをジェロvs超人にしてくれた神、アシュラvsナチュラルとした時、ジェロには超人にしてくれた恩返しの意味で第3のクソ力を発動出来そうですが、アシュラは現状ただの敵討ちだからそれも無さそう…

      • ターキー より:

        アシュラ(と多分参加するであろう牛も)は出せても第2段階まででしょうから、まあ厳しいでしょうね…。

        そう考えると、バイコーンさんどんだけダメな子だったの?って話ですけど笑
        別にプリズマンはマンモスマンと違って、クソ力一切発揮してなかったですし。

  2. Mk より:

    テリーマンは前の大戦で2勝をあげる充分な活躍でしたので今回はジェロニモの参謀でも良いと私的には思います。確かに2勝目のジャスティスマン戦は内容的には完敗でしたが義足をはじめ己の肉体を犠牲にしてでも魂でジャスティスマンの心を動かしたということも充分凄いことだったので。
    今回はアシュラマンらしい毒舌が久しぶりに見られて良かったです(笑)。サンシャインがどう絡んでくるかはまだ予想不可能ですがジェロニモが一番輝いていたのはサンシャイン戦でしたし、夢の超人タッグ編でもニューマシンガンズvsはぐれ悪魔超人コンビでぶつかっていますので因縁も少なからずありますよね。またアシュラマンとの更に進化したネオはぐれ悪魔超人コンビも面白いと思いました。これならアシュラマンも第三の力出せるかな?とちょっと思いましたので。

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