今週のキン肉マン 第20回超人オリンピック編第1弾-日本代表になりた~い

今週のキン肉マン
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 ウルドラマンの辞退により、突然超人オリンピックの日本代表選手に選ばれたスグル。しかしそれは真弓の早とちりで、そんな事実はありませんでした。

 あきらめきれない真弓はハラボテ委員長に直談判。それでも出場の許可は得られずイライラが募る中、前回優勝者のロビンマスクが現れ、ある提案をします。

 一方、ぬか喜びをさせられたスグルは、巨大化して地下鉄に潜り、豪快にイジけます。そこに現れたのがロビンマスク。ダメ超人を自分のスパーリングパートナーに拾ってやると挑発すると、バカにされたスグルはロビンマスクに突っかかります。

 しかし実力差は歴然で、ロビンのボーアンド・アローに固められると、身動きが取れなくなります。しかしど根性でギブアップだけは拒否し、その驚異の粘りに負けたロビンは技を解くのでした。

 それを見ていた委員長は、スグルの根性に感心するという形で、彼のオリンピック出場を許可。しかしこの一連のやりとりは、ロビンがスグルのためにうってくれた芝居でした。

 ともあれ、無事に日本代表に選出されたスグル。女房を質にいれてでもみにいくべき大イベント・超人オリンピック開催前夜の、知られざるエピソードです。

 まだまだ続く、ゆで先生のコロナ休筆。今回は1回目(第20回)の超人オリンピックのリバイバルです。ここで超人オリンピックがフィーチャーされた理由は、予定通りに行けば、今年が東京オリンピック開催年だったからでしょうか。

 それとも現実のオリンピックが延期になったから、せめて『キン肉マン』ではオリンピックを開催しよう、という理由でしょうか。実際、初回の超人オリンピックも、モスクワ五輪を日本がボイコットしたため、せめて超人にオリンピックをやらせよう、というコンセプトから企画が上がったとの話もありますしね。こっちの理由の方が“ぽい”かな(笑)?

 今回はその超人オリンピックの第一話目でしたが、このシリーズは来週も続くようですね。ということは…決勝のロビン戦が終わるまでは、連載を再開しないという、ゆで先生の裏メッセージでしょうか。もしそうだとしたら…ちょっと長いなあ(苦笑)。せめて7月からは再開してくれませんかね。そうなれば、F1再開とキン肉マン再開がちょうど重なって、今年の7月はより熱くなるんで(笑)。

 さて、今回のお話は、コミックス第3巻からですね。かなり古いです。実は私が初めて購入した『キン肉マン』のコミックスがこの3巻でしたので、思い入れは相当あります。小学5年生のときだったかな? ギャグがあまりにも面白すぎて、何度読み返したかわかりません(笑)。

 今回はのっけから真弓大王がその個性を爆発させていますね。キングギドラに変身したり、ハラボテ委員長に嫌がらせをしたり、縦横無尽です。個人的に大笑いしたのは、「うーんとなくがいい。思いきり泣け」と言った直後に、「うるさーい!」と怒鳴ったシーンです(笑)。子どものころは腹抱えて笑いました。

 ハラボテ委員長はこの時が初登場でしたね。キン肉王族を目の敵にしているような嫌味な言動は、この頃からブレていません(笑)。ただロビンマスクの提案を受け入れ、スグルにチャンスを与えるあたり、根は気にかけているんだな、とわかります。このスタンスも今と変わりないですね。

 ロビンマスクは初登場時から、恐ろしく完成度が高いです。シンプルながらも格好良さ抜群。まさに正義のヒーロー然としたデザインで、これを手に入れたゆで先生は、小躍りして喜んだんじゃないかな? もし版権が原案提出者の少年(岡島保則くん)にあったら、結構なお金が随時振り込まれたんでしょうね。そのあたり、心境を聞いてみたいです。『激レアさんを連れてきた。』とかに出演してくれないかな(笑)。MCの若林くんも大のキン肉マン好きだから、盛り上がることこの上ないと思うんですけど。

 そんな完成度の高いロビンですが、まだまだ中井先生が書き慣れていないためか、コマごとに質の差が激しいです。あからさまに苦慮しているような構図のロビンが見られるあたり、中井先生の若々しさが感じられて、逆に人間的な味わいがあります。まだ10代の頃ですからね、たしか(笑)。

 そしてスグルとミートですが、完全にボケとツッコミのお笑いコンビにしか見えません(笑)。大王をコンロにする、シャツとパンツも逆だとうそぶく、う~~むと苦悶のふりをする、地下鉄で身動きが取れなくなる、といった、スグルのすべてのボケに大笑いをしたものです。ミートのツッコミも的確だし、このあたり、まるで嶋田先生が漫才のネタを作っているかのようです。さすがは一度、本気でお笑いに転職しようと考えただけのことはあります(笑)。いや、ホントに擦り切れるほど読みましたよ、この話も。

 こんなギャグまみれの中、ロビンの猛攻を意地で耐えるスグルという、キラリと光る男気を挟んでくるんだよなあ。普段ふざけまくっているだけに、このギャップがものすごく引き立つんです。この特性は現在のキン肉マンでも受け継がれている演出法で、チビッ子はここに魅力を感じてしまうんですよね。

 最後にはアデランスの中野さんの名文句である「女房を質に入れてでも…」でシメ。このフレーズ、子どもにとってはなかなかに衝撃的なフレーズでしたよ。一番身近な存在の母親が、質に入れられるって…世の父親というのは、そんな冷酷なことができるものなのか、好きあって結婚したんじゃなかったのか、なんて。けっこう純粋な小学5年生でした(笑)。

 その他気になった点は

  • 真弓にはお供はつかないのかな…? すごく自由な王族(笑)。
  • この頃って、外国人のセリフは横書きになっているんだよね。何気に細かい演出。
  • 星飛雄馬を知っているテリーマン。日本通すぎる(笑)。
  • 作品内広告の走りともいえる、森永ココアの宣伝。
  • 超人オリンピック委員会のモブキャラが、恐ろしいくらいいい加減(苦笑)。
  • 地下鉄の出口から唯一出ていない左手の行方を気にしたチビッ子は、きっと多いはずだ(笑)。

 こんなところです。

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