週刊少年ジャンプ論 第二章 第四節

オレ流週刊少年ジャンプ論
スポンサーリンク

注)この論文は1994年のものです。

第四節 スーパーカーにスーパーブロウ ~サーキットの狼・リングにかけろ~

 昭和50年代に入ると、子どもたちの間で爆発的なブームになったのが、イタリアンカーなどのスーパーカーである。このブームの火付け役になったマンガが、1975(昭和50年)の『サーキットの狼』(池沢さとし)であった(図10)。

 時代のムーブメントとなる作品を抱えると、『ジャンプ』は一気に加速した。1976(昭和51年)には『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治)の連載が始まる(図11)。

 劇画タッチのギャグマンガというのが新鮮であり、連載開始以来一度も休載することなく平成6年現在まで18年間も連載を続けているお化けマンガである。依然としてその人気に衰えがないことには脱帽である。

図10 スーパーカーブームを巻き起こした『サーキットの狼』

▲「サーキットの狼⑪巻」(池沢さとし)より

図11 長寿を誇る『こちら葛飾区亀有公園前派出所』

▲「こちら葛飾区亀有公園前派出所74巻」(秋本治)より

 1976(昭和51年)末には、数々のヒットを飛ばすことになる車田正美の『リングにかけろ』(図12)が始まる。

 この作品は姉弟愛を絡ませた正統派ボクシングマンガで始まったが、手ごたえがないと知ると、超人的なスーパーブロウが登場する必殺技マンガに路線を変更し、爆発的にヒットした。

 そして人気トップを走りながら、『ジャンプ』の200万部を支え、300万部への橋渡しをすることになるのである。

図12 スーパーブロウが炸裂する『リングにかけろ』

▲「リングにかけろ25巻」(車田正美)より

コメント

タイトルとURLをコピーしました