ファミコン版『北斗の拳3』をクリアしました。

オレ流近況報告-2020年
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 少しずつプレイをしているニンテンドークラシックミニ少年ジャンプ版ですが、今回は『北斗の拳3』に手を出しました。ファミコン版の『北斗の拳』シリーズは、出すタイトル出すタイトルすべてク○ゲーということで伝説ですね(笑)。ということで『北斗の拳3』ではどのくらい…なんでしょうか。楽しみです(笑)。

▲ではさっそく始めましょう。

 今回はアクションゲームだった前二作と打って変わり、RPGで世紀末の混沌とした世界を救っていきます。「ドラクエが売れているから、今回はRPGだっ!」という制作者サイドの安易さを少し感じますが(笑)、まあそこは置いておきましょう。

 実はこのタイトル、リアルタイムで少しさわったことがあります。友だちの家でですけどね。その時の印象は「キャラクターが大きく描かれていて、パッと見きれいだな」というものでした。前作まではアクションゲームだったのでキャラが小さく、グラフィックも貧弱だっただけに、よりマンガやアニメに寄せてきた努力は感じましたね。

▲原作に近いグラフィックです。

 でもって実際にプレイ開始です。ストーリーは原作に忠実であることを基本としているらしく、カイオウ編完結までを網羅しています。ですので、原作を知っていると次に何が起きるのか、誰が敵なのかがなんとなくわかります。

 プレイを開始してまず感じたのは、やっぱりグラフィックが貧弱ということです。あれ? さっききれいだって言ってなかったっけ? と思うかも知れませんが、それは戦闘シーンのことであって、マップやダンジョン、うろついているキャラクター群はお世辞にもきれいとは言えません。

 基本的にドットが粗いといいますか、雑です。ドラクエやFFを標準として見てしまうと、どうしてもそのあたりのスキル不足を感じずにはいられません。バットやリンといった子どもキャラは豆粒のように小さいし(苦笑)。

▲バットとリンが豆粒(笑)。

 さらに全体のスクロールもぎこちないです。特に街中のスクロールは動くたびに背景がドット単位でブレるので、目が悪くなったのかと思うほどです(笑)。また、キャラクターも歩くときに一応アニメーションをするのですが、2パターンのGIFアニメを思わせる簡素アニメなので、背景のブレと合わさって余計に目が疲れるという仕様。

 特に下方向に歩くケンシロウは、鼻から下が左右に動くアニメーションなため、骨格がズレて歩いている印象となり、「南斗水鳥拳で顔半分を平行移動させられたのかな?」なんて思ってしまうくらいのセンスのなさです(苦笑)。

▲顔面が平行移動するケンシロウ。

 そして建物内部やダンジョンのパーツは、どこの場面でも同じものを使いまわしているという合理的手法を採用しています。もちろんファミコンRPGはどのタイトルでも岩、水、壁、地面といった背景パーツを使いまわししていますが、あくまでそれらは最小限のパーツであり、それらを自在に組み合わせて別々のダンジョンにしていたわけじゃないですか。

▲【参考】ドラクエのバリエーション溢れるダンジョン

 しかしこの『北斗の拳3』は、それらパーツを組み合わせてできた、大きなブロックごとごっそりと再利用しているんです。もっと大きな規模での再利用なんですよ。これにはね、びっくりさせられますよ。

 国際宇宙ステーションはその建設の際、地球上でパーツ(モジュール)を作成して宇宙に飛ばし、宇宙では接合を主とする合理的なモジュール建設法を採用しましたが、それが行われはじめたのが1998年。その10年も前にまさかファミコンでモジュール建設が行われていたとは、NASAもびっくりでしょう(笑)。

 さらに言うと、当時の制作陣はそういったモジュールゲーム制作により、持続可能なゲーム制作、それこそSDGsにすら配慮した作業環境を視野に入れていたフシが見受けられます。合理性と持続性。21世紀では最先端といわれる企業理念を、バブル時代から導入している様には頭が下がります。これによってプログラマー等のスタッフも、発売日に間に合わせる仕事が持続可能になったのでしょう(笑)。

 そんな手抜き合理的なマップ作製の影響か、残念なことにどんなに話が進んでも、新しい街にたどり着いても、奥深いダンジョンに入っても、既視感デジャヴがハンパないんです(苦笑)。「あれ~、またこのパターン?」みたいな(笑)。

▲【参考】北斗の拳3の既視感溢れるダンジョン(笑)

 個人的に辟易したのは、宿屋、道具屋、武器屋等の内部がすべて同じ作りであり、店主に話しかけるまでかなり歩かなければならないことです。ドラクエであれば店主とカウンターを挟んですぐに話せるので、そういったストレスはありません。しかしこのタイトルは全部が全部この作りなので、無駄に歩かされる時間が多く、「なんだかな~」とむなしい気分にさせられました。このあたりもモジュール制作による弊害かと思われます。

▲ユーザーに無駄な動きを強いるモジュールゲーム製作。

 さらに言うと、店主とカウンター越しに話せない(苦笑)。大きな机が挟まっていると、いちいちそれを迂回して店主と隣接しなければならないのです。「この仕様、どう考えても企画段階でNGになるでしょ」と思われることを平然とやってのけるので、さらなる衝撃が走りましたね(笑)。でもそういった苦行をデフォルトで行いながらも、根気よくゲームを続けました。

▲頼むからカウンター越しに話させて(苦笑)。

 フィールドでの敵とのエンカウントはランダムというよりは、敵が出没する座標が決まっている感じです。ですので、その座標を避ければ極力エンカウントをさせずに移動することが可能です。逆にレベル上げをしたい場合は、そのエンカウント座標を行き来するだけですぐに戦闘ができ、便利です。街中で無駄な時間を強いた分、こちらで合理化されているのでしょうか(笑)。

 戦闘シーンは冒頭で書いたように、それなりに質の良いビジュアライズがなされています。ファミコンの『北斗の拳』シリーズとしては、かつてないくらい忠実にフォルムを再現していますね。

 個人的によいと思ったのは、攻撃を受けているときに顔が歪んで変形するアニメーションです。これはとても北斗の拳らしくて評価が高いですね。初めて見たときは笑いました。あ、違うや、感動しました(笑)。

▲けっこう笑えます(笑)。

 この戦闘シーンのグラフィックは大小ありまして、ザコ戦では敵味方ともに小グラフィックを使います。そしてボスとケンシロウの一騎打ちの時は、両者ともに大グラフィックとなります。なかなかに迫力満点です。

 特殊技としては、MPの代わりにオーラポイント(OP)というものがあり、秘孔や奥義を使用すると消費されるシステムです。秘孔は主に回復系で、奥義は攻撃系となっています。敵の奥義をコピーする『水影心』もあり、他キャラの技も使用できるところが面白いところでしょうか。あまり使わないですけど(笑)。ちなみにリンにはOPなしで治療ができる能力があり、重宝します。だいぶ話が進んでから気づいたんですけどね。説明書読まないから…(笑)。

▲OPを駆使して特殊攻撃。

 パーティーはストーリーが進むにつれ、いろいろなキャラが入れ替わります。レイ⇒トキ⇒フドウ⇒アイン、みたいな感じです。このあたりは原作に忠実であろうとしていますね。しかし後半の修羅の国編はほぼ一人パーティーです。まあ原作忠実といえば言えなくもないですが、せめてシャチくらいは仲間になってほしかったな。

 ダンジョンはそれなりに広い場合もあるのですが、ぶっちゃけマッピングは不要です。というのも、入り口からとにかく遠くへ行けばボスや出口がある、という法則があるからです。入り口から離れるように、離れるように道を選択していくと、たいがいはOKです。ちなみにドラクエ的な罠やギミックは皆無です(笑)。

▲遠くへ遠くへ行けば大丈夫。

 そういった意味では、ゲームバランスは易しい方かもしれません。レベルもちょっと修行すればすぐに上がりますしね。ただ村人から収集する情報の質が悪く、何をすればフラグが立つのかわからなくなる場合もあります。原作を知っていると補完できる可能性があるので、やはりあくまで原作ファンありきのゲームなのかな、と感じました。

 あと物語が後半になるにしたがって、ゲームテンポが速くなります。イメージ的には“制限時間が近づいて巻きが入ったイベント”といった感じです(笑)。ラオウ編までとそれ以降で、明らかに物語の描写密度が異なりますからね。なんかラオウ編後は機械的にイベントをこなすという、業務感あふれるプレイ展開となり、ひじょうに薄味です(笑)。一応主要キャラとのやりとりはあるのですが、さ~っと流れていきます。

▲帝都編から修羅の国編は事務作業的です。

 その影響か、ラスボスであるカイオウの攻略方法がいまいちわかりづらいです。彼を攻略するには相手の鬼畜な奥義(笑)『北斗逆死葬』を無効化することが必要になるのですが、そのHOW TO情報が薄い。しかもそれを無効化する奥義は、ひっそりと会得されている(笑)。「これで北斗逆死葬に対抗できる!」といった感じで、もう少し派手に会得してくれるとありがたいんだけどな(笑)。

 とはいえ、ネットの力をフル活用してそれなりにスムーズにクリアすることができました。スムーズといってもツッコミどころは満載でしたが(苦笑)。さすがは東映動画のソフトクオリティといったところでしょうか。再確認できてよかったです(笑)。ではまた。

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