第82回 ケビンマスク-その3

オレ流超人批評
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キン肉マンという作品史上、最強の人気を誇るのではないかと思われる超絶モテ超人! その人気はいったいどこにあるのかを考察するシリーズの第三回目は、その陰りある性格に迫る!
出身 イギリス
超人強度 117万パワー
必殺技

ビッグベン・エッジ
OLAP
タワーブリッジ
ロビンスペシャル

主な戦績 チヂミマン○
レゴックス○
イリューヒン○
キン肉万太郎○
デモリッションズ●
デモリッションズ○
ファイブディザスターズ○

 『キン肉マン』というシリーズ作品における“不動の人気者”であり、“稀代の色男キャラ”という名をほしいままにしているケビンマスク。

 なぜ彼がこんなにも読者を魅了し、かつ愛されているのか。その秘密を以下の6つの項目に分けてシリーズ解説をしていきたいと思います。

 その1、2においては、主に彼のファッションや漆黒のヨロイを中心とした、圧倒的ビジュアルについて考察してきました。

 今回は“ケビンマスク3-その陰りあるパーソナリティ”をテーマとし、彼の内面を中心にその魅力を考察していきましょう。

ケビンマスク3-その陰りあるパーソナリティ

 彼がその圧倒的なルックスによって多くのファンを得ていることは間違いがありません。

 しかしながら、ただ顔やフォルムの良さだけでここまで人気を博すというのは難しいでしょう。そこには必ず人を惹きつける、内面的魅力があるわけです。

 では彼の内面的魅力とは何なのでしょうか。私は彼のどことなく寂しげな雰囲気、つまり“陰り”にそのポイントがあると考えています。

 そしてその陰りあるパーソナリティは

  • 不良
  • 孤高
  • 一匹狼

の、主に3つのブロックに分けることができ、それらが相関し合うことによって、彼の寂しげで色気のあるパーソナリティが確立されているのではないかと感じています。

 ではその理由をひとつずつひも解いていきましょう。

“不良”というパーソナリティ

 彼のパーソナリティとしてまず思い浮かぶのが

不良

というキーワードです。

 彼はわずか8歳でロビン家から家出をしています。その理由が、由緒正しきロビン王朝にふさわしい超人となるべく課された英才教育に嫌気がさしたから、ということは皆さんご存知でしょう。

 そして彼はその後の生き方を

厳格な両親が困るような悪さをする

と定めています。

 つまり彼は人生のテーマを“親不孝”という、非常にネガティブな方向に向けたんですね。そしてそれはその後の彼の思想と行動において、彼を自然と不良バッドボーイ化させていくわけです。

 言うなれば、父親たるロビンマスクの完全なるオポジット正反対キャラでしょうか。

 この“正義超人の息子が不良”という設定は、

正義超人の息子は総じてベビーフェイスである

という我々の思い込みを見事に覆すことで、大きなインパクトを与えました。

 特に数ある正義超人の中でも抜群に模範的で、かつ貴族的なステイタスを持つロビンマスクの息子にその設定があてがわれたのは、かなり衝撃的でしたね。

 しかしながらそのギャップには、小泉今日子の『渚のはいから人魚』でいうところの

〽お~とぉ~こぉ~のぉ~こぉって~少し悪いほうがい・い・のぉ♪

という魅力が生じるのか(笑)、この“不良性”によって彼が他の2世超人たちとは違う、特別な人気を得るアドバンテージを得たことは間違いがないでしょう。

▲小泉今日子も強くそれを支持(笑)。

 それはワル特有の、危険な魅力が生じた結果だとも言えます。まあ皆さんもご経験がある

不良はなぜかモテる

というパターンですよ。あの…みなさん、『渚のはいから人魚』、大丈夫ですか? ちゃんとついてきていますか(笑)?

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 そんなバッドボーイな彼が行った“親不孝”を具体的にあげると

  • 街中で暴力をふるいまくる
  • 背中にタトゥーを入れる
  • 飲んだくれる
  • 悪行超人軍団入りする
  • 親の親友の子(万太郎)を血祭りにあげることを考える

といったことがあげられます。

 こう見るとやや子どもじみた思考が見え隠れしますが(苦笑)、まあ8歳~18歳くらいの思考ですからね…年齢相応な考え方なのかもしれません。

 ただこれらは彼がd.M.pを抜けるまでの、作品中においてはかなり前半のものであり、彼は早い段階で“親不孝”というテーマを

親の七光りなしでの超人オリンピック制覇

という、健全なテーマにそのベクトルを切り替えます。

 とはいえ、そのベクトルには親の親友の子(=キン肉万太郎)を打ちのめすという行為が健在なので、まだまだ親不孝ではあるのですが、かなり矯正された親不孝(笑)になったと言えるでしょう。

 その思考の変化というか、精神的成長が見られるに従い、彼の行動特性は“親不孝としての不良性”から、より高尚になった目標に対する“真摯な行動力”に変化していきます。

 そしてその不良上がりの“真摯な行動力”は、彼にまた違った魅力を植えつけることになるのです。

“孤高”というパーソナリティ

 彼が人生のテーマを“親の七光りなしでの超人オリンピック制覇”に切り替え、その行動特性を“真摯な行動力”にシフトすると、彼の内面的な魅力を形成する大きな要素として

孤高

というパーソナリティが大きくクローズアップされるようになりました。孤高とは

ある種の信念や美学に基づいて、集団に属さず他者と離れることで必要以上の苦労を1人で負うような人の中長期的な行動とその様態の全般を指す。

ウィキペディアより

とう意味があり、他にも

  • 理想を高くもち、一人だけまわりからかけはなれていること
  • ひとりだけかけはなれて高い境地にいること
  • ただひとりかけはなれて、高い理想や信念を持ち続けていること

という表記をしているものもあります。要は

自分の信念に基づき独力で高みに到達する

パーソナリティだと言えそうです。

 これを見れば

たしかに…

ケビンマスクの生き方って、孤高そのものだよな…

と、ご納得していただける方も多いのではないかと思います。

 ではこの“孤高”という設定は、ケビンマスクをどのように魅力的にしているのでしょうか。彼の不良時代も含めて確認してみましょう。

圧倒的な自立感

 前述した通り、彼はわずか8歳でロビン家から家出をしています。

 つまり彼はその身を表舞台から裏世界にシフトし、自分一人の力で生きていくということを余儀なくされたわけです。余儀なく、というか、自分で選んだ道なんですけどね(苦笑)。

 その結果、彼は仲間同士でワイワイやっている万太郎やチームAHOたちといった同世代のキャラクターと比較すると、圧倒的な自立感を醸し出しており、そこに

あえて厳しい環境に身を置き、己の力一つで困難を克服してやる

という強烈な意地とメッセージを感じ取ることができます。

 もちろん仲間とよいコミュニケーションを取りながら、切磋琢磨する万太郎たちを悪く言うつもりはありません。

 ただ“陰陽”という見地からすれば、彼らの明るい日常がケビンの“孤高”というキャラを“陰”というイメージで浮き彫りにしたことは間違いがなく、“陰”なのにスポットが当たるという、逆転の目立ち方をする結果となりました(笑)。

▲…なぜスポットがオレにあたる…?

 そしてそんな背景を持つ彼は、男性読者には

寒風吹きすさぶ厳しい環境にあえて身を置いた

というストイックさに対する憧れを、女性読者には

男としての頼りがいと高いサバイバビリティ

という色気を感じさせたのかもしれません。

 いずれにせよこの圧倒的な自立感は、彼が一個のキャラクターとしてとても芯が強く、どんな艱難辛苦かんなんしんくが訪れようとも、それに打ち勝てるであろう期待感を我々に抱かせることとなり、彼の魅力を高めていたと思われます。

決断力と自己責任感と行動力

 彼は基本群れることを好まないため、人生における決断をほぼ一人で行って生きてきたと考えられます。

 その手始めが8歳時での家出であり、ずいぶんと思い切った決断をかなりの幼少期に行ったことに、彼の決断力の早い段階での萌芽とその早熟性が見てとれます。

 その後彼は

  • 裏社会でやさぐれる
  • 悪行超人の養成所であるd.M.pデーモンプラントに入所する
  • 悪行超人から足を洗って超人オリンピック制覇に乗り出す

といった様々な人生の選択をしていますが、そこに他人の助言や影響力はあまり感じられず、彼自身の考え一つで決断している雰囲気があります。

 つまりそこには

自分の人生は自分で決めるし、それを後悔はしない

という、彼の強靭な信念が見え隠れするんですね。

 そんな高尚な信念に基づく決断力には、男らしさと潔さが感じられ、我々の彼に対する憧れを大きくさせるのでしょう。

 さらに言うと、決断を限りなく自己判断で行うということは、己が決めた道と行動についてはすべて自分が責任を持つということにつながり、そこに彼の自己責任感の強さが見てとれます。

▲責任上等!

 その責任感の強さは、“あるべき自分の理想の姿”、いわゆる“理想自己”に到達するために必要な行動を起こす、大きな原動力となり得るでしょう。

 そしてそれを黙々と実行する彼の行動力もまた、陰りのある孤高感およびストイックさを大いに感じさせ、我々読者を魅了するのかもしれません。

圧倒的な独断実行力

 前述したように、彼は自立心が高く、かつ決断力と行動力に優れています。この特性を見るに、彼はほとんどのことを独力で解決してきたと思われます。

  • 衣食住環境の整備
  • 肉体および格闘鍛錬
  • ジム経営(笑)

といった点においても、ほぼ自分自身の力で完結しています。

 “衣”についてはファッション・リーダーとしてトレンドの先端を走り、“食”においては街中でフィッシュアンドチップスを立ち食いすることも厭いません(笑)。

 “住”については、なんと彼は自身のジムを保有しています。アパートの一室を契約しているとかのレベルではないですからね。ジムですよ?

 つまり彼は格闘家であると同時に、わずか18歳にしてすでに経営者としての顔も持っているんですよ。これは恐るべき行動力と言わざるを得ません。

 そしてジムを構えるための過程においては

  • 立地・物件選定
  • 賃貸借契約折衝
  • 借入・資金調達
  • 内外装、機材手配・搬入
  • 営業許可他、各種届け出
  • スタッフ採用業務
  • 損益計算、税務申告

といった実務があり、彼はそれらをそつなくこなしていた、ということになります。そんな中、金融機関との間で

この事業計画では…融資は厳しいですね…

2時間くれ!

それまでに直してやる!

なんてこともあったでしょうし、トレーニング機材の購入においても

これ以上のお値引きは…ちょっと…

A社はこのくらいの金額だと言っているぞ。

なんなら2台購入するから色をつけてくれないか?

なんていう闘いがあったのかもしれません。

▲金融機関とも闘う難攻不落の鉄騎兵

 ただそれらの交渉においても“無敗伝説アンディフィーティッド”を発揮して、ジムの経営に到達したのでしょう(笑)。いずれにせよ、おそるべき独断実行力です。

あふれ出る濃厚な“2号感”

 そもそも論で、“孤高”というキャラクターには“色気のあるクールな男”という刷り込みがなされており、それが我々のDNAに刻まれているようにさえ思えます。

 それは『科学忍者隊ガッチャマン』におけるコンドルのジョーや、『秘密戦隊ゴレンジャー』の青レンジャー以降、日本のヒーローシーンにおいて連綿と続くマンガ的遺伝子とも言えるでしょう。

▲日本ヒーローの文化? たる2号キャラ群

 そしてケビンマスクはそのクールな“2号感”を多分に漂わせているんですよね。ただこの“2号感”という表現は「2番手」という意味ではなくて、主役とは別個の次元で個を確立している特別キャラ、というイメージです。

 それは万太郎をリーダーとした新世代超人ニュージェネレーションの中での彼の立ち位置、また、スカーフェイスをリーダーとした新生アイドル超人での彼の立ち位置をみれば、おのずとそのニュアンスがわかると思います。

 さらに言うと、そのような2号キャラは総じて

絶対に色気のあるイケメンであるべきよ!

という、ルックス面においての共通認識が広く根づいていると思われます。

 そのことはSMAPによる実写版ガッチャマンにおいて、コンドルのジョー役が日本一のモテ男である木村拓哉にあてがわれたことからも、端的にそれを指し示していたと言えるでしょう。

 おそらくですが、その時のキャスティングにおいて彼のジョー配役は、一瞬で決定したと思われます(笑)。裏を返せば“2号=クールイケメン”という公式は、それくらいの世の共通認識だということです。

 そしてケビンマスクは批評の「その1」「その2」で評したように、そもそも圧倒的なクールビジュアルを持ち合わせていました。

 ですので“2号=クールイケメン”というマスト事項においては、彼は十分すぎるほどにその条件を満たしており、それゆえ2号が2号たるすべての特性項目において、規定値を大幅に超えた2号キャラが出来上がってしまったわけです。

 つまりケビンマスクとは、類まれなるクールなルックスに、その色気を最も発揮しやすいパーソナリティである“孤高”を付加されたキャラだったと言えるでしょう。

 そしてそれは2号キャラの潜在的魅力を余すことなく放出できる力を手に入れたと言っても過言ではなく、読者から絶大なる支持を得る要因になったと思われます。

“一匹狼”というパーソナリティ

 以上ように、彼の“孤高”というパーソナリティは彼を中身の伴う男として、とても魅力的で色気のあるキャラクターにしていることがわかります。

 そしてその“孤高”や“2号感”は、その近親パーソナリティである

一匹狼

というパーソナリティをも濃厚に醸し出してくるんですよ。そう、女子が大好物なあの“一匹狼”です(笑)。

 たしかに彼はd.M.pを去った後、人知れず修行をしていたし

オレは超人同士群れるのが大嫌いでな

超人の本分はいかにいい闘いファイトをするかだ

と人気投票大発表会での登壇をキャンセルし、長野県の山奥でキャンプを張っている様子も報告されています。

 さらには万太郎に敗れたスカーフェイスに向かって

オレのようになんの旗印も持たず、万太郎の首を狙うんだ

と、『学問のすゝめ』ならぬ『一匹狼のすゝめ』を口にしたりしています(笑)。

 つまり彼は主として格闘面において、元来彼が持つ強烈な“独力志向”が大きく発揮され、その一匹狼感を大きくしていることがわかるわけです。

 ただこう書くと、彼の格闘面については

d.M.pの力を借りているじゃないか

がっつりとクロエの教えを乞うているよね?

といった、“ケビン≠独力”というご意見が出てくるかもしれません。

 たしかにその通りなのかもしれません。特にクロエがケビンマスクに与えた影響はとても大きいと思いますし、彼の格闘思想を大きく変革させたのは間違いないでしょう。

 しかしながら、彼の肉体および格闘鍛錬思想の源流は、あくまで彼本人の

誰にも負けたくない

という強烈な“理想自己”というものが先に来ており、それを達成するためのツールがたまたま“d.M.p”や“クロエ”だった、と解釈することもできるわけです。あえてドライな言い方をすれば、ですけどね。

 つまり彼は“理想自己”を達成するための方針や方法論を自ら考え、そのツール選択とカリキュラム設定を含めてすべて独力で行ってきたことになります。

 それは万太郎が“ヘラクレス・ファクトリー”や“火事場のクソ力チャレンジ”で鍛錬してきたことが、多分に親や協会からの宿題として与えられた

課題型鍛錬

であったことに対し、ケビンのそれは理想とのギャップを自ら探り当て、それを克服すべく鍛錬する

探求型鍛錬

であったと言えるでしょう。

▲探求型鍛錬でスパイラルアップ  ©ゆでたまご

 このように、彼には例えトレーニングパートナーが存在したと言えども、格闘の鍛錬に対するアプローチにおいては

己自身の向上は己の手で

という意志がはっきりと見えるため、それが独学や独力行動をイメージづけ、結果彼の群れない“一匹狼感”を強烈に実感させるのではないでしょうか。

 そして“孤高”で得られる突き抜けたストイックさに、“一匹狼”で得られる近寄りがたい危険さと独力志向が絶妙にブレンドされ、それが男性としての魅力と色気を大きく増幅させているのだと思います。

おわりに

 以上、ケビンマスクの特徴ともいえる、陰りあるパーソナリティとその魅力について考察してみましたが、いかがでしたでしょうか。

 彼が持つ天性のルックスに、不良、孤高、一匹狼という陰りあるパーソナリティが付加されることで、彼がとんでもなく色気を持つキャラクターに成長したことが、なんとなくご理解いただけるのではないかと思います。

 しかしですね、実は彼のパーソナリティの深層には、もう一つの意外な根幹パーソナリティが潜んでいるんですよ。

 そしてその根幹パーソナリティこそが、孤高や一匹狼といった、色気あるパーソナリティの根源となっているのです。

 ですので、次回はその根幹パーソナリティについて迫ってみたいと思います。ではまた。

今回は高野さん、ぽんさん、サクラギさん、尾崎さん、愛知県26歳さん、myさん、yoshidaさん、K.JAGUARさん、TKマンさん、後藤さん、ケビンマスクさんほか、たくさんの方からリクエストをいただきました。ありがとうございました。

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