オレと『ゼルダの伝説』
私がファミコンを購入したのは、高校入試が終了したその日の夕方でした。中学3年の終わりですね。その時に同時に購入したソフトの一つが、『ゼルダの伝説』だったんですよ。
この『ゼルダの伝説』については、友人がプレイしている様を見たことがあったので、どんなシステムのゲームであるかは、ある程度知っていました。ただその時に感じたのは

ちょっと…オレにはハードルが高いかな…
という自己分析でした。要は“ボクのゲームテクでは太刀打ちできそうもありません”という、白旗掲揚です(笑)。
なのになぜにこのソフトを購入したかというと、ディスクシステムのゲームの単価の安さです。たしか2,000円で買えましたからね、ゼルダ。少しディスカウントされた後の値段ですが。
ただでさえ“本体+ディスクシステム同時買い”という設備投資に財政を悩ませていたので、やはりソフトは単価を抑えたいです。そこで『ゼルダの伝説』ですよ。
たしかに私には難易度が高そうですが、ゲーム性がしっかりしている名作であることは間違いありません。そして単価が安い。

ここは一応押さえておくか。
とう目論見で、ソフトの購入を決めたわけです。結果…レベル3のダンジョンくらいで放り投げました。やはり私には太刀打ちできるソフトではなかったのです。
とにかくですね、死んじゃうんですよ。自分なりに必死にボタン操作をしているのですが、どこかで死んじゃう。そしてセーブ地点からやり直し。これじゃあ

もういいや、『ドラクエⅡ』やろ。
となるじゃないですか(苦笑)。
そんなブラックな記憶が根づいてから約35年。思春期時代のリベンジをアラフィフで果たしますよ、はい。
35年越しのリベンジ
というわけで、ニンテンドークラシックミニにラインナップされていた『ゼルダの伝説』を起動です。いや~、久々だな、この画面。あまりいい思い出ないけど。
しかしながら、今回はネット攻略と任意セーブという強力な味方がいました。ネットに記載されている攻略ルートに導かれ、要所要所でのセーブ&ロードで、とうとうクリアです。やりました! 威張れることではないですけど(笑)。
ただやってみて、現役時代の敗因は、しかるべきタイミングに、しかるべきアイテムを集めていなかったことだとわかりました。
つまり攻撃力が上がるソードのバージョンアップ、防御力が上がるアイテムの収集、早めのハートの器の回収などがまったくもってできておらず、常に不利な闘いを強いられていたんですね。
それらを適宜そろえることで、敵との闘いが俄然有利になります。ドラクエで言うならば、早めにレベルをアップさせて、ストーリーを楽に進める、という感じでしょうか。
ですので、プレイしていて

…思ったより敵の攻撃キツくないな。
と感じましたからね。昔苦戦したイメージと違うんですよ。そりゃあネットの攻略を見て、先回りレベルアップしているので当たり前なんですけどね(苦笑)。ただそれくらいレベルアップの差が大きいソフトだった、ということです。
ですので、80年代当時のプレイにおいては、この“最適なタイミングで相応のレベルアップにこぎつけることができるか”いうのが、プレイヤーの優劣、もしくは上手さを決めることになりました。
その観点でみると、それができなかった私にはこのソフトを攻略する資格がなかった、ということなのでしょう(苦笑)。
なぜ『ゼルダの伝説』は名作なのか
ただ35年越しにこの『ゼルダの伝説』をクリアしてみて、このソフトがなぜにゲーム史上に残る名作であるかが分かった気がします。いくつかあげてみましょう。
“隠し通路ギミック”をふんだんに利用した
ゼルダといえば、これに尽きると言っても過言ではないかもしれません。隠し扉、隠し通路はちびっ子の大好物ですからね(笑)。
隠し通路ギミックの種類としては
- 木を燃やして階段出現
- 岩場を爆破して入り口出現
- ブロックを押して階段出現
- 壁を爆破して隠し通路出現
などがありますが、どれも初めて出現させたときは、絶対にテンション上がりますよね、これは。
特に自力でこのような隠し通路を発見できた場合、その感動は計り知れなかったと思います。

ビンゴ! 怪しいと思ったらやっぱりそうだったぜ!!
みたいな。
もうこのギミックだけでプレイヤーに対するつかみはOK、って感じです(笑)。この楽しさにハマって、ゼルダをしゃぶりつくしたちびっ子も多かったんだろうな(笑)。
ヒントの有効利用がゲームの難易度を下げた
ゲームフィールドのあちこちに存在するジイさんとバアさん。この老人たちのつぶやきが、ゲーム攻略のヒントとなっています。
さすがは年の功といいますか、人生経験あふれた含蓄のあるお言葉を賜ることができますね(笑)。ちょっと無機質なカタカナ言葉ですが、このお言葉をうまく利用できれば、ゲームを有利に進めることができます。
つまりこのヒントを活かせるか活かせないかで、ゲームの難易度が大きく変わるんですね。それはアクションがヘタなプレイヤーでも、知恵と工夫と装備次第ではゲームをクリアできることを意味しています。
さらに言えば、このことはソフト内でのゲーム難易度調整を可能にしたことを示しており、プレイヤーがゲームのリバランスをできるという点で画期的だったと思います。
ボスに弱点を設定した
皆さんご存知の通り、このゲームでは各レベルのダンジョンにボスがいるのですが、その何体かには弱点が設定されているんですね。ここでも先ほど書いた“プレイヤーによる難易度調整”が可能になっているわけです。
それによってヒントとアイテムを効果的に利用したプレイヤーは、クリティカルな一撃をボスに与えられるという爽快感とドラマを堪能でき、ゲームに対する満足度をより高めることにつながるわけです。
これもねぇ、自力でそこに到達したプレイヤーは、感動的に嬉しかったと思いますよ。

爆弾を食わせれば、あいつイチコロだぜ!
なんて会話が、学校では乱舞していたわけですよ。なんとも微笑ましい光景ですよね(笑)。
アクションRPGというジャンルを創った
以上のことを統合することで、この『ゼルダの伝説』は“家庭用ゲーム機におけるアクションRPG”、というジャンルの型を創ったと言ってもいいのかもしれません。
これ以降、この『ゼルダの伝説』をお手本としたアクションRPGが多数登場したことを考えると、新しいジャンルを創ったイノベーションタイトルだとも言えますよね。
さすがは任天堂がディスクシステムのローンチタイトルとして勝負をかけたソフトだと、発売後35年を経てようやく理解できました。
おわりに
以上、35年振りの雪辱を果たした『ゼルダの伝説』についての感想でした。まあ任意セーブとロードの繰り返しを多用した編集プレイですので、雪辱なんておこがましいか(苦笑)。
ただ思ったのは、中学時代のように攻略なしで自分ですべてを解決しながらゲームクリアを目指すのはもう無理、ということですね。
もちろん自力で隠し通路を見つけたり、弱点を発見したり、アイテムをパワーアップできた方が、感動と達成感は何倍もあると思うのですが…その手間とかける時間に耐えられない…。
そんなアラフィフレトロゲーマーですが、今後も細々とプレイを続けたいと思います。といいつつ、“裏ゼルダ”までチャレンジするかどうか、考え中なのですが(苦笑)。ではまた。


コメント
懐かしいですねゼルダ。当時は滅茶苦茶プレイして全てのダンジョンと
隠し部屋を網羅したなぁ~。さすがに今は忘れてますが・・・
全てがわかるといろいろ試したくなって「いきなりホワイトソード」
とかやってましたね(マジカルも可能っぽいが当時の私には無理だった)
さて難度が高いとの事ですが、私にはもう一つの原因があると思ってます。
それは自分のセーブデータを記録する「データ名」です。
このころのディスクシステムはこの方式だったのでプレイしているゲーム
のタイトルをつける人がいました。はい、アキラさんもここでピンときた
と思いますが、セーブデータ名を「ZELDA」にしてしまうといきなり
裏ゼルダが始まってしまい超絶難易度になってしまいます。
私の友人はこれでコントローラーを放り投げました(そりゃそうだ)裏の
ゼルダは本当に凶悪極まりなく、「敵の攻撃力がバカ高い」「マップの
仕掛けが増」「ずっと剣が抜けなくなる呪い」は萎えましたね(泣)
アキラさんも是非、裏ゼルダで発狂してくださいな(笑)
卍さん、こんにちは。
すべてのダンジョンと隠し部屋ですか~、すごいですね。でも当時はそのくらいの熱量をつぎ込める情熱がありましたよね(笑)。
あと裏ゼルダが始まる裏ワザは知りませんでした。たしかにこれを偶然にやってしまった人は、コントローラー投げちゃいますよね(苦笑)。