受験シーズンにリリース
言わずと知れた、日本一有名なRPGの第4弾です。たしか2月発売だったんですよ、このタイトル。
つまりは私大受験真っ盛りの時期に発売されたわけで、受験生にとっては拷問のようなタイミングで発売されたことになります。
これ…私いつ購入したのかなあ? いまいち覚えていないんですけど、受験後かなあ? それともがっつり発売日近辺で購入したのかなあ? 受験後だと信じたいんですけどね。あまり自信がない(苦笑)。
ただ発売日に並んだ記憶はないし、どこで購入したかもよく覚えていないんですよ。言い換えると、ドラクエへの執着心が、この辺りから薄れてきたとも言えます。喉元を通り過ぎたと言いますか。“ドラクエ離れ現象”とでも言うんですかね。
とはいえ、まだまだ押さえておくべき必須ソフトではありました。実際面白かったですしね。ただ昔のタイトルよりも、ストーリーの記憶が薄いのは確かです。街の名前とかも全然覚えていませんからね(苦笑)。
オムニバス形式のストーリー
このタイトルの特徴は、なんといっても5章立てのオムニバス形式です。1つのタイトルに5つの物語が独立して存在し、最後の5つ目でオールスターが揃ってラスボスに闘いを挑む、という形式でした。
このシステムは当時としては新しく、さらにお得感がありましたね。
なぜお得感があったかというと、5つに分けた物語が、それぞれしっかりとした作品になっていたからです。
分割することで内容が薄くなっちゃった、的な印象を感じさせなかったのは、さすがはドラクエ、といったところでした。良質のゲームを5本、同時に購入した気分を味合わせてくれたんですよね。
そしてそれぞれのキャラクターが一度は主役を張ることで、キャラに対する愛着度も増し、勇者の下にそれぞれが集う第5章においても脇役感がなく、勇者と同様の感情移入をしたプレイができるという、キャラ没頭感を演出していたと思います。
トルネコは実験的シナリオ?
そんな5つの物語の中でも、異彩を放っていたのが第3章のトルネコ編でした。
彼の職業は武器商人で、お宝を発掘するために旅に出るんですね。そして洞窟等で危険と隣り合わせに手に入れた貴重な武具などを、店舗で売って儲けるんです。
これは主人公が悪者を倒す、という今までのパターンを覆したシナリオでして、“お宝探し”“店舗経営”という新しい視点でのゲームテーマを開拓したという点で、意義深かったと思います。
これができたのは、5本もシナリオがあったからこそだと思われます。複数シナリオという特性を制作者サイドがうまく活かし、その一つを企画実験に費やしたがための産物といえるのではないでしょうか。
未来的なAIシステム
もう一点、このタイトルの革新的な点が、ファミコンゲームで初めてAIシステムを導入した点です。
AIというと、2020年現在では最先端の技術革新としてトレンドとなっています。ディープラーニング技術が確立してからは、飛躍的な注目を集めていますよね。
とはいえ、当時のAIはそこまでのものではなく、単純な作業をある程度オートでできるだけでAIなんて呼ばれていました(笑)。しかしながらこのタイトルにおいては、そこから半歩進んだAIでした。
というのも、キャラクターは敵と戦闘を繰り返すほどに相手の弱点などを学習し、ゆくゆくは効果的な行動や魔法等を選択していくようになる(はず)、というのがウリだったからです。
行動の最適化がプログラムされたAIということですね。
こんな触れ込みがジャンプの『ファミコン神拳』なんかに載っていたものだから、そりゃ期待爆発ですよね。で、実際にプレイをしてみると
…これじゃない
と感じるわけです(苦笑)。意にそぐわぬ行動を選択するキャラに業を煮やし、AIという未来に早々に見切りをつけた(笑)プレイヤーも多かったと思われます。
実は私もその口なのですが(笑)、今から考えてみると結果を急ぎすぎたのかな、とも思えました。あくまでAIは学習することで賢くなる仕組みです。その学習期間をすっ飛ばして
全然言うこと聞かない
使えね~
なんて判断を下していた気がします。
ですので、もっとしっかりとAIに向き合っていれば
おっ、いいね、それだよ。
その魔法だよ
なんて言葉が漏れるほど満足な結果を得ていたのかもしれません。
ただせっかちなボーイズにはそこまでの忍耐はなく、その恩恵の領域には辿り着かなかった可能性もありますね。
おわりに
でもゲームという遊びを通しつつ、夢の未来技術革新の一端に触れることができたという経験は、なかなかにロマンがあって、今から振り返るといい思い出でしたね。
だって昨今のAIブームを知ったときに
オレの初AIはドラクエⅣだったなあ
と思い出した人、たくさんいたでしょ(笑)?
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