FILE.15 L特急・ブルートレイン

オレ流80's
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80年代に活躍した特急キャラクタライズ

少年たちが憧れた列車たち

 2015年8月に、60年代から80年代にかけての寝台特急ブランドの一つであるブルートレインの『北斗星』が運行廃止になりました。

 これにより国鉄時代から一時代を築いてきたブルートレインがすべてなくなってしまったことになります。

 私は生粋の鉄道ファンというわけでもないので、さよならフィーバーのど真ん中に身を置くという感じではありませんでした。

 しかし“ブルートレインのブランドが消滅する”という事実は、やはりどこか寂しい気分にさせられたものです。

 というのも、私の少年時代ではブルートレインやL特急といったブランド特急が現役で稼働しており、

いつか乗ってみたい!

という憧れを抱いていた時期があったからです。

 特急ブームとでもいうのでしょうか、学校でも

あの特急がかっこいい!!

走行距離が長げえ!

といった話題で盛り上がっていたものです(笑)。

 特急の王様といえばもちろん新幹線です。

 でもね~、新幹線じゃここまで盛り上がらないんですよ。新幹線はね、優等生すぎるんです。

 使用目的やシステム、技術が洗練されすぎちゃって、情緒がない。合理的な冷たさが全面に出てしまっているんですよね。

 仕事はできるけど冷たい奴って感じ(笑)?

 それと比べてブルートレインやL特急は人間くさいといいますか、個性が溢れているんです。どこか暖かくて、そこにロマンを感じるというか。

 移動時間での合理性でみれば、そりゃ新幹線がダントツなんでしょうけど、ロマン溢れる旅情を演出する意味では、間違いなくブルートレイン・L特急に軍配があがると個人的には思っています。

ヘッドマークという擬人化手法

 ではこれらの特急の個性は何かというと、子ども視点でいうならば“ヘッドマーク”に集約されると思っています。

 それぞれの特急は車両の種別、スペック、走行距離、移動時間、設備等、様々な点で個性わけがされていました。

 国鉄(この表現自体久しぶり…)のうまいところは、それら細かいことは横に置いといて、まるで車両を擬人化したような表現方法である“ヘッドマーク”を採用したことなんですね。

 これはね、直感的で子どもたちにはとてもわかり易かったんですよ。

 たとえば上野~青森を走るL特急『はつかり』。この車体がどんな性能を持っているかははっきりいってわかりません。

 でも上野から青森という長距離を走るということ、そして越冬の雁の群れをイメージしたであろうデザインが、この特急のキャラクターを引きたてているんですね。

 このように、目的地や走行する地方を深く印象付けたようなネーミングとヘッドマークデザインこそが、その特急のキャラなんですよ。

 そこに見ず知らずの土地が持つ地域性というものが車両に加味され、子どもたちはまだ見ぬ土地を思い浮かべながら、そこに想像の特急を走らせるわけです。

 これらの観点から好きな特急を選んでいた子どもって多かったんじゃないかなあ?

 ヘッドマークデザインはホントに多数あって、子どもからしたらよりどりみどりです(笑)。

 ヘッドマーク一覧が載っている下敷きとかもあって、キャラクターを俯瞰するには最適でした。

▲学業の友“ヘッドマーク下敷き”(笑)

私が好きだったブルートレイン『なは』

 個人的にはブルートレインの『なは』が好きでしたね。

 都心からみれば最遠目的地ともいえる沖縄の那覇の名を冠しているところが、スケールがでかくて魅力的です。

 まあ実際の終点は西鹿児島(当時)だったんですけどね。でも意識はさらに海を越えてって感じで(笑)、ロマンにあふれています。

 また、L特急ベースの車体にラインが青色のそれをコロタン文庫の『特急全百科』もしく『ブルートレイン全百科』のグラビアページで見たときに、完全に惚れました(笑)。

▲お気に入りだった「なは」

ここは赤のラインが定番なのに、青なんてクールすぎる!

みたいな(笑)。

 やべえ、コロタン文庫とか自分で書いてて懐かしさがこみ上げてきた(笑)。全百科(オールひゃっか)シリーズ、楽しかったなあ。

 “小さくて、あつくて、たのしい本!”のケイブンシャの大百科シリーズもお世話になりました(笑)。

 ちなみにこのブルートレイン『なは』は友人の井上くん(男性:仮名)も好きで、

大人になったら一緒に乗ろうぜ!

と約束したのもいい思い出です。

 その後井上くんは引っ越しちゃったんだけど、元気かな? ボクは元気でこんなサイトを作って遊んでいます(笑)。

『日本特急旅行ゲーム』の功績

 もう一つ、特急関連で忘れられないアイテムが『日本特急旅行ゲーム』です。

 これは日本全国を特急を使って旅するボードゲームだったんですけど、ブルートレイン・L特急好きのちびっ子にはどストライクのゲームでした。

 ゲーム自体は8種類くらいある旅行コースから一つ選び、そのコースに記載されている8つの駅(チェックポイント)をまわり、一番早く帰ってきたプレイヤーが勝利、といったものでした。

 旅行コースは“駅弁の旅”とか“名作の旅”とか“難しい駅名の旅”といったテーマで分かれており、日本の地理や風土を勉強するにはもってこいです。

 “難しい駅名の旅”のコースで、“余目あまるめ”とか覚えたもんなあ(笑)。

 このゲームを進めていくうえでの重要なアイテムが特急券です。これがブルートレインとL特急の特急券なんですよ。

 切符サイズのカードに特急のヘッドマークと名称ロゴが印刷されており、これを使って移動するという行為が子どもにとっては特急に乗る疑似体験になったわけです。

 この切符がねぇ~、よくできていましてね。すごくテンションが上がった思い出があるんですよ(笑)。

 しかしその特急もいつでも乗れるってわけではなくて、時刻表に割り当てられた時間でしか乗れないんです。

▲絶妙なスパイスである時刻表システム

 こういったルールの縛りがゲーム性を高くしています。でもこの縛り、けっこうらしくて画期的だと思いません(笑)? 

 そしてこのような旅行ゲームの流れを引き継いでいるのが『桃太郎電鉄』なのかなあ。

▲こんなマップで
▲こういうコースがあって
▲憧れの切符で移動(笑)

彼らの終焉

 そんなキャラ満載だった特急たちも、世の中の移動手段のニーズの変化により徐々にその活躍の場を失っていき、最終的にそのブランドの終焉を迎えてしまいました。

 現在も特急は各地で走っているのですが、あの当時のキャラクター性を備えたものではないですよね。

 なんといいますか、“特急”という第一階層だけで集約されている印象が強くて、“特急のひばり”や“特急のゆうづる”といった、第二階層まで世間に浸透していく魅力まではないと思います。

 この辺が少しさびしいですよね。

おわりに

 以上、ブルートレインやL特急の思い出なぞを書いてみました。

 子どもの頃は大人になったらあれも乗ろう、これも乗ろうと思っていたのに、結局1種類も乗れなかったなあ。

 今さらながら残念に思いますよ。

 大人って自由に夢をかなえられるようで、意外とやれる範囲が狭いもんですね。子どもの頃は何でもできると思っていたのになあ(苦笑)。

余談

 余談ですが、今回この文章を書くにあたってヘッドマークの画像検索をしたのですが、L特急の『やまびこ』のデザインは危険だと思いました。

 さらにいうと『みちのく』も危険な感じで、この2台が横並び、もしくは縦並びしたら、新しい特急『みちびこ』が生まれちゃうんじゃないかと思ったりもしました。

 …って最後に下ネタか(苦笑)。

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